「母の日を数えるほどしか知らない私が、母になって思うこと」
母の日。
わたしはこの日を、数えるほどしか祝ったことがない。
若くして母を亡くしてしまったからだ。
記憶の中にある母の日は、数えるほど。
「ありがとう」って、どれくらい言えただろう。
「産んでくれてありがとう」なんて、照れくさくて言ったことなかった。
気づいたときには、もう言えない距離にいた。
そのあとわたしは母になって気づいたこと。
子どもは、生まれてきた瞬間から、
惜しみない愛情を、わたしに向けてくれる。
笑顔も、泣き顔も、寝息も、すべてが「ママ大好き」って言ってるみたいで。
ただそこにいてくれるだけで、もう、じゅうぶん。
母って、こんなにも子どもを想うものなんだね。
あのときの母も、きっと同じ気持ちだったんだと、
いまになってやっと気づいた。
母の日に何を贈ろう、何を言おうと悩むことがあるけれど、
本当は、「ありがとう」のたったひとことだけでよかったのかもしれない。
今、もし届けられる人がそばにいるなら、
どうか言葉を惜しまないであげてほしい。
「ありがとう」を、たった一言でも。
「大好き」を、今のうちに。
母の日は祈るようにありがとうの気持ちをおくる。
そして、
小さな手で抱きついてくれるこの子に、
「ありがとう」を返して生きていく。
日々を大事に生きていこうと改めて思い返します。